全日本瓦工事業連盟ガイドラインについて

瓦屋根は建築(特に木造住宅)において欠かせない屋根構法であり、また1400年以上の歴史と伝統をもつ構法でもありますが、強風、地震という自然の力に対してもろく弱いところがありました。
過去の地震
1978年 伊豆大島近海地震、宮城県沖地震

1995年 兵庫県阪神淡路大震災

2000年 鳥取県西部地震

2001年 芸予地震

近年

2011年 東北地方太平洋沖地震

2016年 熊本地震

2016年 鳥取県中部地震

により、多くの住宅の瓦屋根が被害を受けました。これまでも自然災害に対して、先達による様々な工夫や改良が施されてきましたが、その効果は不十分なところもあり、関係者により瓦屋根の風や地震に対する脆弱性を改善するために、科学技術的データに基づいた瓦屋根の設計・施工の方法を「ガイドライン」として、とりまとめられました。
弱点を改善し、伝統と歴史ある建築様式や構法の良さを残していくために、関係者方は、より信頼性の高い構法を確立するために研究されつづけておられます。

全日本瓦工事業連盟ガイドライン耐震工法とは?

 (三州瓦・愛知の窯元「神清」様) 協力

桟瓦 旧工法とガイドライン(耐震)工法

平成13年以降、瓦屋根の標準耐震工法としてガイドライン工法が普及しています。


瓦が落ちない工夫

ガイドライン工法は瓦を全数緊結しています。
屋根面に釘・ビス等で留め付けてあるため、地震や台風でも屋根から脱落せず安全安心です。

互換性が高い!

左側の旧工法の瓦(20~30年前)と右側の防災瓦(現在のもの)を同じ屋根面で施工できる互換性があります。

JIS規格のJ形瓦であれば、互換性があります。

この利点は、屋根の部分補修が可能となり、メンテナンスが容易になります。

この部分補修という考えは他の屋根材にはありません。

歴史があり、長寿命な瓦だから必要となる考え方です。

旧工法

棟は葺き土でのし瓦を積み上げて固定しているだけの状態です。
棟芯がなく、のし瓦同士や冠瓦を銅線等建物躯体に留め付けていないため、大震災でこの旧工法の棟部が多く倒壊、脱落しました。

この画像のように、旧工法は土で固めているだけです。

↓図をわかりやすくしました

旧工法

瓦屋根では、20年以上前の旧工法が未だに屋根で頑張っています。

風や雨は問題なく防いでいます。

しかし、巨大地震に対しては、強度が不足して葺き土が崩れ、棟部が脱落してしまいます。

・ガイドライン(耐震)工法

棟部もガイドライン工法が現在では標準工法です。
棟芯を入れて、のし瓦同士と冠瓦を銅線等で緊結して建物躯体と連結しています。
東日本大震災でも被害はなく、研究機関による耐震実動実験でも耐震性が高いことが確認されています。

この画像のように補強金物は建物躯体・棟木と固定されています。

のし瓦、冠瓦、補強木材、補強金物と土(現在なんばん仕様)が一体化されて建物躯体に留め付けられているため、耐震性が高い状態です。

↓図をわかりやすくしました

熨斗瓦積み

ガイドライン工法では、冠瓦が棟芯材、棟補強金物を通して、躯体に緊結されている。

また、のし瓦同士を緊結線で連結させている。

これらにより、棟部は一体となって、家の躯体と連結します。

巨大地震が来ても、脱落することなく、安心安全の屋根となります。

七寸丸一本伏せ

のし瓦がなく、冠瓦だけの場合は、上図のようなイメージとなります。

7寸丸(冠瓦)が棟芯材、棟補強金物にねじ留めされる。

冠瓦が躯体に連結されるので、巨大地震、台風などが来ても崩れることはありません。

また、この図では南蛮漆喰を使用する湿式工法ではなく、乾式棟面戸を使用した乾式工法の図となっています。

定期メンテナンスが容易な仕様となっています。

※全日本瓦工事業連盟のガイドライン(耐震)工法に自身が考えた補強施工を加えより強い瓦屋根葺き実施させて頂いておりますが、企業秘密な部分もありますので自身の補強施工は記載しておりません。

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